イベント報告2019 | 兵庫県ユニセフ協会 | 公益財団法人日本ユニセフ協会 協定地域組織

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イベント報告

実施しましたイベントのハイライトを載せています。どうぞご覧ください。

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イベント報告(2019年)

第41回
ユニセフ ハンド・イン・ハンド

街頭募金活動

“手に手をとって”を意味する「ユニセフ ハンド・イン・ハンド」募金は、誰もが参加できる募金活動です。 1979年の国際児童年にはじまり、今年で41回目を迎えました。毎年11月~12月をハンド・イン・ハンド募金キャンペーン期間とし、ユニセフへの支援を呼びかけています。

兵庫県ユニセフ協会では、例年11月に募金活動の事前学習を行い、活動の意義を確認し、募金を呼びかけるフレーズを考え、呼びかけの練習をしています。

今年は、11月の8日と15日には、トライやるの中学生が、自作のポスターを持ち、声をそろえ、JR住吉駅近くで幼い子どものたちの命を守るために支援を呼びかけました。

また、12月22日には、70人のボランティアが、県内5か所(姫路、元町、三宮、住吉、西宮北口)とコープこうべ第九コンサート会場(県立芸術文化センターKOBELCO大ホール)の出入り口で募金活動を行いました。

当日は、大勢の人で賑わう師走の街で、ボーイスカウトの子どもさんたちと共に「すべての子どもに生きるチャンスを」などと支援を呼びかけました。

ボランティアの皆様、募金へご協力いただいた皆様ありがとうございました。





国際理解講座④

ワタシとアフリカ

講 師:甲斐信好さん(拓殖大学国際学部教授)
    大津司郎さん(ジャーナリスト)
日 時:2019年12月7日(土)
会 場 :コープこうべ健保会館
主 催:兵庫県ユニセフ協会
参加者:59人 

講座が始まる前に、アフガニスタンで長年人道支援と復興に携わり、12月4日銃撃を受け亡くなられた医師中村哲さんへの黙祷が行われました。

甲斐さんは、大津さんのコーディネートで、15年にわたりゼミの学生たちとアフリカスタディツアー行っています。アフリカの多くの国は、平均年収4万円、社会インフラの欠如、教育、医療、紛争など多くの問題を抱えています。
学生たちは、子ども兵士復帰施設での体験、難民キャンプ、学校へ通えない子どもたちから、生きることの大変さや日本の常識は通用しないことを知ります。また、欧米・中国などの怒涛のアフリカ進出を見ます。アフリカは日本にいては知りえない世界のリアルや厳しさがわかる偉大な教科書なのです。

大津さんからは、サハラ砂漠の南縁部に広がる約300万㎢に及ぶサヘル地域での大干ばつの話がありました。日本では報道されていませんが、牧畜民と農耕民の衝突が多発し、多くの死者が出て国々の存続が危うくなる状況さえ見られます。 また、アフリカではジェンダー格差が非常に大きく、女性は社会規範の面で大きな制約を受けており、社会発展を阻害する要因になっています。

終わりに、甲斐先生は、「愛情の反対は憎しみではない、無関心だ」とマザーテレサの言葉を例に挙げ、関心を持ち、いろんな人がいて、違う考えを自由に示すことが国際理解ですと話しました。



チラシはこちらからご覧いただけます。





巡回学習会

つながるいのちプロジェクト

日 時:2019年11月19日(火)~29日(金)
講 師:永遠瑠(とわり)マリールイズさん(NPO法人ルワンダの教育を考える会)
主 催:兵庫県ユニセフ協会

兵庫県ユニセフ協会は、1994年の「ルワンダの内戦」を経験された永遠瑠マリールイズさんを講師にお迎えし、「教育や命の大切さ」を伝える巡回学習会を実施し、11月19日から29日にかけて兵庫県内の小学校6校、中学校3校、大学1校、おとな対象に3か所でお話いただきました。
ルイズさんに出会い、体験を通した話を聞く中で、子どもたちは、教育や命の大切さを知り、当たり前に感じている毎日ついて考えるきっかけを得たようでした。
※今回の事業は公益信託兵庫県婦人会館ユネスコ基金からの助成を受けて行いました。



◆◆ 同時開催 ◆◆

写真展「ルワンダ ウムチョムウィーザ学園から ~いのち・教育~ 」

日 時:2019年11月20日(水)~29日(金)
会 場:ひょうご国際プラザ交流ギャラリー
主 催:兵庫県ユニセフ協会
共 催:(公財)兵庫県国際交流協会
後 援:NPO法人ルワンダの教育を考える会

戦争で心身共に傷ついたルワンダの子どもたちが、民俗や宗教政治思想にとらわれることなく、その人らしく生きていくための様々な教育支援を行っている「ルワンダの教育を考える会」の活動を紹介する写真など約30点が展示されました。




2019ユニセフセミナー

子どもの権利とSDGs

~子どもの権利条約を知る、考える、提案する!~

日 時:2019年10月19日(土)
講 師:末吉洋文さん(帝塚山大学法学部教授)
会 場:コープこうべ健保会館
参加者:25人
主 催:兵庫県ユニセフ協会

SDGs(持続可能な開発目標)を実行に移すために

SDGsは世界中の誰一人取り残さずに持続可能な発展をするための目標、「2030年にはこういう状態になっている」ことを目標に設定し、達成すべき17の目標と169のターゲット(指標)を定めています。

それぞれの目標は、『風が吹けば桶屋が儲かる』のたとえの通り繋がっていて、「連鎖(システム思考)」が成り立ちます。その上で『ドベネックの桶』を例に、桶が17枚の板(SDGsの17の目標)から作られている時、板の高さに差があれば低いところ水が流れ出てしまいます。安心安全で安定した活力あるバランスの取れた社会の実現には、板の高さが同じになるように、全部を同時に行う必要があると説明を受けました。

そして、SDGsを実現するためのキーワードはバックキャスティング(未来創造思考)と指標化(KPI/見える化)。未来(2030年)の姿から逆算していつ何をすべきかを考えます。また目標の達成度を評価するためターゲットに数値を当てはめることによって、進捗状況を把握します。


SDGsと子どもの権利条約と人間の安全保障

「子どもの権利条約」は子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約、「人間の安全保障」は、人間一人ひとりに着目し、紛争・テロなどの恐怖や貧困などの欠乏か人々を解放し、それぞれの持つ豊かな可能性を実現するために,保護と能力向上を通じて持続可能な個人の自立と社会づくりを進める考え方です。 SDGsは、人間の安全保障と子どもの利益を最優先に考え、行動しようと話されました。

グループワークでは、新聞記事を題材に意見交換をし、メッセージを書き込んだ子どもの権利付箋を貼っていきました。高校生、大学生の参加も多く、学びの多いセミナーになりました。

※進捗状況を報告するプログレスレポートは「国連広報センター持続可能な開発目標布告2019」で見ることができます。

平和講演会

未来の平和を創るために

「知る」ことだけでなく、我がことのように「感じる」こと

日 時:2019年10月13日(日)
講 師:木戸季市(きど すえいち)さん(日本原水爆被害者団体協議会 事務局長)
会 場:コープこうべ生活文化センター
参加者:39人
主 催:兵庫県ユニセフ協会
共 催:生活協同組合コープこうべ、ピースプラットホーム

木戸さんは5歳の時に爆心地から2㎞の地点で被爆、幸いにも家族は無事で、屋根のあるところで身体を休めることができ、食べるものもあり、やけどの薬も手に入り、恵まれた被爆者と話されました。

また、私は3度被爆者になったとも話しておられます。
1回目は1945年8月9日。被爆者は大変な被害を負っていましたが、アメリカは一切の報道を禁止し、何が起こったかわかりませんでした。
2回目は原爆報道が解禁された1952年。そのとき初めて自分が被爆者と知ったそうですが、病気や差別への不安や恐怖を考えると自分から被爆者と言えなかったそうです。
3回目は1990年被爆者運動に参加して被爆者として生きることを選択してからです。人間に与えられた問題で解決できない問題はない、わずかでも被ばくの記憶がある最後の世代として、いつかなにかをやらなければならない時が来ると思っていたそうです。

そもそも、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は、ビキニ事件後の1955年第1回原水爆禁止世界大会を機に、1956年8月10日に結成、「自らを救い、私たちの体験を通して人類の危機を救おう」と誓い、世界に向けて「ふたたび被爆者をつくるな」と訴え続けてきました。 1984年に策定した『原爆被害者の基本要求』では、被爆者の願いは再び被爆者をつくらないないこと、被爆者は「安全保障」ためであれ、戦争「抑止」の名目であれ核兵器を認めることはできない。「核の傘」を必要悪として容認することはできないと述べています。

被爆者も高齢化し減少した今、被爆者だけで進めてきた運動を国民とともに進めるようにし、ヒバクシャ国際署名や継承運動にも力を入れていきたいと話しておられました。核兵器禁止条約の署名は79カ国、批准は32カ国となりました。条約の発効が現実味を帯びてきています。 木戸さんは、人類に与えられた問題で解決できない問題はない、被爆者運動は不滅ですと締めくくられました。

国際理解講座③

生きるって、なに?

日 時:2019年9月21日(土)
講 師:たかの てるこ さん(地球の広報・旅人・エッセイスト)
会 場:あかし保健所
参加者:約130人
主 催:兵庫県ユニセフ協会
共 催 :コープこうべ第6地区活動本部

「世界中の人と仲良くなれる!」と信じ、英単語とボディランゲージを頼りに出かけた旅。旅先での映像を交えてのユーモアに富んだエピソードは、「自分らしく生きる」ためのメッセージでした。

旅は人生の学校、異文化に触れることで広い視野を持てるようになると、てるこさんは話します。私たちは普段目の前の事に気を取られて「虫の目」で生きていますが、日常から離れ旅に出ると視野が広がり、地上にはいろんな人がいて、今自分が生きてる世界だけがすべてではないという俯瞰的に見る視点「鳥の目」が持てるそうです。

英語も全く通じないジプシー人たちとの交流映像には、共に料理をし食事をし踊るてるこさんの姿がありました。1世代2世代前までさすらい続けていたジプシーの人たちは、旅人に優しく、家や土地に執着せず、今を大切に生きています。過去の出来事や未来のことを過度に思い煩わないで今を大切にしてください。

また、人類はアフリカで生まれ、世界中に広がっていることを例に挙げ、居心地の良い場所を求めて、生きたい場所を求めて、逃げたから広がったのです。逃げることは恥ずかしくありません、辛いときには逃げてもいいんですよ。

てるこさんからは、他にもくさんのメッセージをいただきました。未来に目を向けていけていけるような愛の言葉をかけてください。すべてのいじめは人と比べることから始まります。人は人、自分は自分。自分をほめてあげてください。気さくで明るくアクティブな話は、参加者の心も会場の空気をも元気にしてくれていました。



平和講演会

核兵器をなくすには
 ~今、私たちにできることは~

日 時:2019年8月31日(土)
講 師:中村桂子さん(長崎大学核兵器廃絶研究センター)
会 場:神戸栄光教会
参加者:約100人
主 催:コープこうべ、コープこうべユニオン、兵庫県ユニセフ協会
協 力:神戸栄光教会社会委員会

今日の平和講演会では、中村桂子さんの講演後、スマホサイト「議員ウォッチ」を立ち上げ活動中の安藤真子さん(神戸大学大学院在学中)にお話しいただきました。

長崎大学核兵器廃絶研究センターは、長崎大学の中に創られた核兵器に特化した研究所です。核兵器廃絶に向けた情報や提言を発信し、核のない世界をつくるにはどうすればよいかを主体的に考えられるよう水先案内の仕事をしています。

1945年に初めて核実験が実施されて以来、冷戦時代には最大の約7万発、その後、核兵器の老朽化などで数が減少しましたが、核保有国は使いやすい小型核を開発し、核兵器への依存を強めています。 これまでも世界の国々や人々は「核兵器のない世界」に近づくための努力をしてきました。1970年に発効したNPT (核不拡散条約)は核拡散を抑止する目的で制定され、現在191ヵ国が加盟していますが、残念ながら守られていません。

そこでできたのが、核兵器を非人道兵器と断じ、核を持たない国が主導して作った条約「核兵器禁止条約」です。核を持っている国、核の傘にいる国の居心地が悪い状態をつくり、じわじわと世界の常識を変え、世界を変えることを目指しています。核兵器を禁止・廃絶のために活動するICANは2017年ノーベル平和賞を受賞しました。

「核のない世界を実現する」か「数を減らしながらでも永遠に持ち続ける」か、私たちは岐路に立っています。
核抑止力についても一考が必要です。核抑止に頼るという事は場合によっては核を使ってよいという事です。テロリストに核抑止はできません。コンピューターの誤作動など偶発的な事故もありうること、抑止が失敗すれば気候変動などその代償は極めて大きいです。

カナダ在住のヒバクシャであるサーロー節子さんは、「核兵器禁止条約は、核兵器の終わりの始まりです」と話しています。世界の常識を変えるために核兵器禁止条約を使っていきましょう。
今、兵器に関わる製品を作っている企業に融資をしない金融機関にお金を預ける、核兵器製造企業への投融資禁止を求める動きも高まってきています。


スマートフォン向けサイト「議員ウォッチ」
「議員ウォッチ」は、~核兵器禁止に賛成ですか、反対ですか~ 国会議員の姿勢がスマホを通じて一目で分かり、各議員にスマホを使ってすぐにメッセージを送れる機能をもっています。
ピースボート「おりづるプロジェクト」の活動で被爆者の声を聞いていた安藤真子さんが、他のボランティアの人たち、国際NGO ICANの国際運営委員、川崎哲さんと協力して立ち上げました。
安藤さんは、核兵器の問題は市民の中ではなかなか議論にならないのが現状。関心を高めるきっかけになれば考えています。また高校生の質問に、国会議員にメールを送っても回答が得られないこと、電話で尋ねてもたらいまわしにされるのが辛かったと話しました。



2019年ユニセフセミナー

水の教室

調べよう! 体験しよう! 実験しよう!

日 時 : 2019年8月3日(土)
会 場 : 国営明石海峡公園 神戸地区 あいな里山公園
共 催 : あいな里山公園、兵庫県ユニセフ協会
参加者 : 小学生14人


いつでもどこでも安全な水を利用できる私たちの暮らしは、世界から見れば特別なこと!!
自然豊かなあいな里山公園の相談ヶ辻の(そうだがつじ)の家とその周辺で、水を手に入れるために苦労している人々、きれいな水を得るための工夫、水の大切さについて学ぶための体験型学習会「水の教室」を開催しました。

普段は、触れることの少ない手押しポンプで水を汲みあげたり、蓮で覆われた田で泥水を汲み、その泥水を運び、水運びの大変さを体験しました。

ペットボトルに石、砂、炭や枯葉などを詰めてミニチュア地層をつくり、泥水をろ過し、水がどれくらいきれいになるかを実験で確かめました。

振り返りでは、子どもたちは大学生リーダーに分からないところを教えてもらいました。


七夕セミナー

豊かさ分け合う道さがそう ~SDGsとユニセフの活動~

日 時:2019年7月27日(土)
会 場:中央電気倶楽部
主 催:大阪ユニセフ協会
共 催:ユニセフ七夕ネットワーク

中国・四国・近畿地方の7つのユニセフ協会を中心に行われる合同研修会「七夕セミナー」が行われました。浜田進士さんの講演会、大阪ユニセフ協会の活動報告、大学生の実践報告、その後ワークショップがあり、兵庫県ユニセフ協会からは11人が参加しました。

浜田進士さんの講演会は、「子どもの権利条約とSDGsに共通する課題とは ~SDGsから子どもを埋もれさせないために~」と題し行われました。

子どもの権利条約は、世界中のすべての子どもたちが、心身ともに健康に、自分らしく育つための”権利”について定めた条約です。
ユニセフはこの条約に書かれた子どもたちの権利を守るために活動しています。この「子どもの権利条約」ができて30年、日本が批准して25年になります。

SDGsは2015年の国連総会において全会一致で採択された「持続可能な開発目標」の略称です。環境・社会・経済の3つの側面を調和させ、人権を尊重しながら、「誰ひとり取り残さない」社会を目指して、世界中が一緒に取組む地球の未来のための目標です。

SDGsの中で、子どもは重要な変化の担い手と位置付けられています。SDGsの実施に主体的に関わっていけるように、SDGsから子どもを埋もれさせないためには、子どもの意見を聴いてもらう権利を保障すること。子どもに最も良いことは何か、子どもの意見を聴きながら持続可能な街づくりをすることが大切ですと、話されました。


2019国際理解講座②

ISは終わったか

取材映像で見る シリア・イラクの女性や子どもたちは今

講 師:玉本 英子さん
日 時:6月22日(土) 13:30-15:30
会 場:コープこうべ生活文化センター
参加者:76人
主 催:兵庫県ユニセフ協会

プロフィール:アジアプレス大阪オフィス所属。中東地域を中心に20年以上取材。2017年第54回ギャラクシー賞報道活動部門優秀賞受賞。2019年第26回坂田記念ジャーナリズム賞特別賞受賞


講演では、玉本さんの話に加え、映し出される多くの写真や動画が惨状をつぶさに伝えていました。
また、「これは現地の人に実際に聞いた話です」「これらの写真はインターネットでは流さないでください。協力して下さった方に危害が加わるかもしれません」という言葉から、ぎりぎりのところで取材を重ね、私たちに現状を伝えて下さっている玉本さんの優しさと毅然とした姿を窺うことができました。

ISに支配され戦禍と化したシリア・ラッカでは、市民は過酷な生活を送り、市民記者組織の人たちは自らの命を顧みずその惨状を国際社会に伝え続けました。
イラクでは少数宗教ヤズディの居住地がISの兵士の襲撃を受け、イスラムへの改宗を受け入れなかった男たち1000人以上が次々と殺害され、女性は奴隷としてレイプされ、戦利品として戦闘員の間で売買されていました。

国際ニュースは、今年の3月末に、ISはイラクとシリアにおける拠点をすべて失ったことを伝えています。しかし、実際はどうなのかは見なくては分からないと玉本さんは話します。

今も、ISの残した爪痕は、現地の人々の生活に奥深く残されたままです。
ISに賛同していた人たちは隠れていて、1週間に一度は雑誌を発行し、新しいイスラムの幹部を暗殺し、村や畑の焼き討ちをしています。
また、少数宗教ヤズディ教徒の社会は、信仰を中心にしたコミュニティの絆が強いため、IS兵士のレイプによって生まれた子どもたちがヤズディの社会に受け入れられないという新たな問題が生じています。

玉本さんは、人々がいまだに苦しんでいることを知ってほしいと話しを締めくくりました。


公演

世界に目を向けよう
 ルワンダ今昔ものがたり

出 演:永遠瑠(とわり)マリールイズさん(ルワンダの教育を考える会理事長)
    マニ・マーティンさん(ルワンダ出身のアーティスト)
日 時:2019年6月8日(土)
会 場:若王寺(なこうじ)こども食堂(百合学院正門西隣)
参加者:140人
主 催:コープこうべ第1地区「平和の会」
共 催:兵庫県ユニセフ協会
後 援:尼崎市教育委員会
※この事業は、(公財)兵庫県国際交流協会の「民間国際交事業」から助成を受け実施しました。


公演では、「ルワンダ今昔ものがたり」と題したマリールイズさんの講演とインタビューを交えてのマニ・マーティンさんのライブが行われました。 ライブでは涙しながら聞く方々も見受けられ、振り返りでは、小学生、学生、若いお母さんからの質問もあり、本当に充実した、感動を共有できた素晴らしい公演でした。
講演では、マリールイズさんは、「ルワンダをインターネット検索するとトップページに大虐殺が出てくるが、それは25年前の事。長い間戦争もなく、気候も温暖で自然豊かな美しい誰もが安心して旅のできる国です。また、世界一女性の国会議員が多く、『ルワンダの奇跡』といわれるまでに国が変わりました」と自国を紹介しました。

ルワンダには死刑制度がありません。虐殺により親を殺され悲しむ子どもたちがいる上に、虐殺した側とはいえ刑務所にいる親を死刑にしてしまったら、悲しむ子どもをさらにつくることになる。被害者である未亡人たちが子どもたちの未来のために「ゆるす」という選択をし、死刑制度廃止につながっていきました。
続いて、マリールイズさんの奇跡的な体験、未来につながる出会いの力、命と教育の大切さ、平和の尊さをついてもお聞きしました。
      ※関連記事:2018国際理解講座②「出会いがつなぐ 子どもの未来」

マニ・マーティンのライブでは、素晴らしい歌と共に歌に託した思いなども伺いました。 マーティンさんは、5歳の時にジェノサイドを体験、孤児院で暮らしていました。ルワンダに起こった大きな出来事に気づいたのは9歳の頃。みんなどこに行ったの?どこにいるの?と思ううちに、メロディーが頭に浮かんだそうです。トラウマを抱える仲間が歌を聞いて元気になっていく姿に音楽の力を知りました。また、学校へ行けるようになり希望を持てるようになりました。灯りをともしてくれるのは教育しかないと思いました。
ルワンダにはまだまだ自分の事を人に言えない子どもたちがたくさんいます。音楽を通して声なき者の声となり、メッセージを伝えていきますと話しました。



神戸まつりパレード

日  時:2019年5月19日(日)
場  所:フラワーロード~三宮中央通り
参加者:110人

好天に恵まれた絶好のおまつり日和の中、ボーイスカウトの皆さん、コープこうべ職員の皆さん、幼子や小学生を連れてのお父さん、お母さん、おばあちゃんボランティアの皆さん、老若男女総勢110人がパレードに参加しました。
平和を願い、大きな折り紙で作った鶴は空を舞いました。ボーイスカウトの皆さんは「子どもの権利、子どもの未来、子どもの笑顔を守ろう」と沿道の方々に大きな声で呼びかけました。



2019国際理解講座①

国づくりは子どもたちの未来づくりから

日  時:2019年4月27日(土)
会  場:神戸市外国語大学三木記念会館
講  師:シャラド ・ライ(Sharad Rai) さん(NPO法人YouMe Nepal代表)
参加者:54人
主  催:兵庫県ユニセフ協会

教育を通して、母国ネパールをよくするために取り組んでおられるシャラド ・ライさんにお話しいただきました。大学で開催されたこともあり、学生の参加も多く、活発な質疑が行われました。

ライさんが生まれた村は、電気もガスもなく、掘っても水が出ない山岳地帯。毎朝1時間半をかけて水汲みに行き、山羊に餌をやってから山を登って学校へ行きました。そんなライさんが奇跡と語ったのは、小学校4年生の時、国費で首都カトマンズにある名門校で学べるチャンスが与えられ、高校卒業まで学んだ事でした。


その後、奨学金で日本に留学したライさんは、ネパールの同世代の人が出稼ぎに行き、厳しい労働環境で働き、毎日4人くらいが遺体で戻ってくるという現実を知りました。
これまで育ててくれた「国への恩返し」を考えていたライさんは、生活の選択肢を広げる教育が大切だと考えました。大学卒業を目前にした頃、教育を受けられず、出稼ぎに行く人々の悪循環を断ち切るために学校創りを決意、アルバイトでお金を作り、先生1人、生徒8人で学校を始めました。

学校では、先生も生徒も時間・約束を守るように指導し、カースト制度、政治活動を禁止し、学校は自分たちで掃除をし、母国語以外の授業は英語です。味の素ファンデーションの支援を得て給食も提供し、今では学校が2校、先生16人、生徒200人になりました。

ネパールでは、私立学校20%、国立学校80%の比率ですが、私立学校は富裕層のもの、国立学校の質は低いのが現状です。
遠隔ライブ映像によるオンラインスクールで、皆がきちんとした教育を受けられるような仕組み作りをしています。将来は、職業訓練学校も考えています。

自分にチャンスをくれた「国に恩返し」をしたいとの思いからスタートしたYouMeスクールは色々な人を巻き込みながらプロジェクトを積み上げてきました。ライさんは大好きな国をよくするために、大学院を卒業後はネパールに戻り政治家を志しています。



世界のともだちと心をつなごう

第17回 ユニセフのつどい

日  時:2019年3月16日(土)
会  場:コープこうべ生活文化センター
主  催:兵庫県ユニセフ協会
協  賛:神戸YMCA、神戸YWCA
後  援:兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会、(公財)兵庫県国際交流協会、JICA関西、
     兵庫県子ども会連合会、コープこうべ
参加者:約300人

出展団体 CHA、国際居住研究会ソルト学生支部、NGOネパール虹の家、アマニ・ヤ・アフリカ、ルワンダの教育を考える会、認定NPO法人FutureCode学生部BYCS、jam tun、学生団体SMILE、ミャンマー関西、ELEKOBA、やんだくない、賀川記念館、明石高専防災団D-PRO135°、石光商事、神戸YJB、兵庫県ユニセフ協会 (順不同)

ユニセフのつどいは、子どもたちの未来をともにつくる兵庫県ユニセフ協会のお祭り。今年も老若男女たくさんの人がつどいました。
「持続可能な未来とユニセフ」と題した講演では、山積する21世紀の地球規模の課題を解決するために私たちに何ができるか、SDGs推進などの話を交えながらお話しいただきました。

コーラスグループ「ティンカーベル」の子どもたちの澄みきった歌声に心洗われ、リズミカルなアフリカ太鼓の響きからは生きていることの喜びがわき上がってきました。
また、国内外で支援活動を行っているグループの出展コーナーでは、買い物だけでなく話しも盛り上がったようでした。
学びあり、笑いあり、語らいありの楽しい一日になりました。



ユニセフ写真パネル展

言葉より多くを語るもの
~ロヒンギャ難民の子どもたちを癒す「心のケア」~

日  時:2019年2月6日(水)~24日(日)
会  場:コープこうべ生活文化センター展示室

2017年8月以降ミャンマーで暴力が激化し、少数民族のロヒンギャの人たち70万6,000人以上が隣国バングラデシュに逃れ、難民になっています。
兵士に銃で撃たれる人、燃やされる家々… 小さな体で背負うには、あまりにも重い記憶の数々。
ユニセフはパートナー団体と共にアートプログラムなどを通して子どもたちに「心のケア」を届けています。
家族や故郷を奪われ、心に深い傷を負った子どもたち。そんな難民の子どもたちの描く絵は、言葉より多くを物語っていました。



川崎塾⑧

核兵器にない世界をつくるには
「核兵器禁止条約」についてもっと知る

日  時:2019年2月23日(土)
会  場:神戸栄光教会
講  師:川崎 哲さん  I CAN国際運営委員
参加者:112人
主  催:ふらっとピースネットこうべ   
協力団体:生活協同組合コープこうべ、(公財)神戸YMCA、(公財)神戸YWCA、賀川記念館、
     神戸市外国語大学、神戸栄光教会社会委員会、ピースプラットホーム、兵庫県ユニセフ協会

川崎さんは、国際法により公平で持続可能な方法で非核化を実現するために、『核兵器禁止条約』発効に向けて活動を続けておられます。
2017年7月、「核兵器禁止条約」はICANの主導的な役割により、国連本部の会議で120ヵ国以上の賛成を得て採択されました。2019年2月現在、署名国は70ヵ国、批准国は22ヵ国です。

川崎さんは、社会的な価値観が変われば世の中は変わっていくとお話しになりました。
例えばタバコの場合、パッケージの表示を工夫し税金をあげることで有害であることが周知されるようになりました。虐待問題では、昔はまかり通った体罰も、子どもの権利条約が批准され、子どもも人格を持つ者のとして尊重されねばならないと変わっていきました。また、りそな銀行は、核兵器を開発・製造・所持する企業に対して融資を行わない方針を決めました。

では、私たちは『核兵器禁止条約』の発効に向けて、どのようにアクションをおこせばよいでしょうか。
川崎さんは、国連広報センターHP(※)に載っている「軍縮のためのアクション : あなたにもできる10のこと」を例に、「情報収集を絶やさないようにしよう」「考えを発信しよう」など具体的な行動についてお話しになりました。
(※)軍縮のためのアクション : あなたにもできる10のこと

続いて、第1回目から聴講している六甲アイランド高等学校の福祉コースの生徒さんを代表して、水田さんのプレゼンテーションがありました。 テーマは「輪と和スマイルプロジェクト~バームクーヘンがつなぐ笑顔~」。
核兵器は戦争の道具、原子力発電は平和利用と思っていた水田さんですが、東日本大震災での原発事故による甚大な被害を目の当たりにし、未来に向けて原子力とどう向き合えばよいか疑問が浮かんだそうです。 優先課題は福島の子どもたちへの応援。そこで考えたのがバームクーヘンです。バームクーヘンが最初に紹介されたのが広島、その会社は今神戸にあります。水田さんは、バームクーヘンをツールに世界に笑顔と輪と和を広げていきたいと語りました。



川崎塾は、2017年7月ノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」で、国際運営委員を務めておられる川崎哲さんをはじめ、第一線で活動されている講師から、核兵器廃絶の歴史、廃絶への道筋を学ぶ講座です。 来年の2月まで全8回の開催を予定しています。
川崎塾について詳しくお知りになりたい方はこちらからチラシをご覧ください。(PDF)



川崎塾⑦

核兵器にない世界をつくるには
「核兵器禁止条約」についてもっと知る

川崎塾は、2017年7月ノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」で、国際運営委員を務めておられる川崎哲さんをはじめ、第一線で活動されている講師から、核兵器廃絶の歴史、廃絶への道筋を学ぶ講座です。 来年の2月まで全8回の開催を予定しています。
川崎塾について詳しくお知りになりたい方はこちらからチラシをご覧ください。(PDF)

  • 日  時:2019年1月14日(土)
  • 会  場:兵庫県民会館
  • 講  師:相原 由美さん  歌人(広島文学資料保全の会、在韓被爆者支援
  • 参加者:51人
  • 主  催:ふらっとピースネットこうべ         
  • 協力団体:生活協同組合コープこうべ、(公財)神戸YMCA、(公財)神戸YWCA、賀川記念館、
         神戸市外国語大学、神戸栄光教会社会委員会、ピースプラットホーム、兵庫県ユニセフ協会
 
  • 相原さんは、詩人として活躍される一方、原爆文学に関わる書簡などの整理とともに大学などでの保存活動や在韓被爆者支援をされています。
  • このたびは、峠三吉さんと彼の詩「仮繃帯所(かりほうたいじょ)にて」、そして相原さんご自身の体験を通して原爆の恐ろしさ悲惨さについてお話しいただきました。

  • 峠三吉さんは1945年広島で被爆、原爆症に苦しみながらも文化活動のリーダーとして活動していました。朝鮮戦争で原爆が使われるかもしないという話が上がり、「原爆詩集」の発行を決意、ガリ版刷りで出版しました。その中におさめられた「仮繃帯所にて」には、救護所となった広島陸軍被服支廠の惨状が描かれています。爆心地から2.7km離れ、壁の厚みが60cmと厚かったこともあって焼失や倒壊は免れ救護所として使用されましたが、爆風によって割れたガラスや数知れない数のミシン針がそこで働いていた女性たちを突き刺したのでした。

  • 相原さんは旧満州で生まれ、6歳の時に引き上げてきました。結婚後広島に住み、シベリアに抑留された父親の死亡通知が厚生労働省から届いたのは2017年のことでした。
  • 相原さんは、日本で被爆し、自力で母国へ帰った韓国人に、日本で被爆者手帳をとり、治療をして、韓国へ帰れるようにする運動をしておられます。
  • ご自身も戦後自身が引揚者であることを親しいはずの同窓生にもなかなか話せなかったそうです。被爆後帰国した韓国の人も、創氏改名をしていたことや被爆していたことなど母国で話す事もできず、肩身の狭い思いをしているのではとご自分の体験と重ねておられました。

  • 今までとは一味違う、体験談からの学びでしたが、心を打つお話しでした。
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  • チラシはこちらからご覧いただけます。
 





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